介護保険を知ろう

 介護保険は、市町村が運営しています。

 6段階にランク付けされた要介護度に応じて、自由にサービス業者との契約によって、受けるサービスの種類や提供機関を選択できます。 但し、受けるサービス費用の一割を負担していただきます。もし、サービスが気に入らなければ、その変更を申し出ることも出来ます。

 要介護度の基準は、市が委託したケアマネージャー(介護支援専門員)が訪問して必要な調査をする訪問調査と,主治医(かかりつけ医)の意見書をもとに、コンピューターで判定し、最終的に、保険・福祉や医療の専門家で構成された「介護認定審査会」が、総合的に判定します。

 介護保険では、サービス内容は、ご本人やご家族が直接サービス業者と契約することも出来ますが、介護専門家のケアマネージャー(介護支援専門員)が、本人や家族の意向を元に、介護サービス計画(ケアプラン)を作成することが出来ます。ケアプラン作成は、利用者負担はありません。 気に入らなければ、作成し直してもらうことも出来ます。

 転居した時は、14日以内に新住所地の市町村に受給資格証明書を提出すれば、転入前の審査・判定に結果に基づき認定されます。保険料は、新住所地の市町村の介護保険に新たに加入する必要があります。詳しくは、新住所地の市町村に問い合わせてください。


寝たきり生活を生き生きと過ごすために 1 
- 腹臥位療法 -
 寝たきり高齢者になるととかく、生命維持を気にするあまり、人間として生きていくこと(ADL)が忘れられがちになります。寝たきり高齢者のADL を改善するにはどうすればいいのでしょうか?
  最近の話題からご紹介します。


腹臥位療法 「平成12年度先駆的保健活動交流推進事業研究発表会」(主催:日本看護協会)

 兵庫県市立加西病院の織部智香子氏の発表

 最重度の寝たきり状態にある高齢患者に腹臥位療法を行うと、約9割の患者でADLが改善し、知的機能の回復にも有用であるとわかりました。

 腹臥位療法とは、一日のうちの一定時間(15分から30分程度)、患者をうつぶせにしておく看護手法で、神経内科医の有働尚子氏が考案したもの。 もともと、パーキンソン病患者のために考案されましたが、適応もバリエーションも増えつつあります。

 自然排便が可能な患者も16%から38%に増え、呼吸機能にも有意な改善がみられ慢性呼吸疾患患者にも使われています。知的機能の改善、自発的 行為の出現なども確認され、患者の精神面にもよい影響を与えているようです。

 腹臥位療法によって頚部や上肢で筋力が増加するとともに、体位変換に伴う刺激が大脳皮質へ好影響を与え、ADL低下を予防・改善するのではないかと推察されます。 腹臥位療法は、高齢者の自立支援やQOLの向上を支援する看護手法となるかもしれません。

 仰臥位から腹臥位への大きな効果

  1. 下肢関節拘縮、尖足傾向の改善
  2. 仙骨部および両側大転子部褥瘡の改善
  3. 両上肢関節可動域制限、筋力・手指巧緻性低下の改善
  4. 嚥下障害の改善、嚥下性肺炎の減少、肺活量低下の改善
  5. 排尿障害、尿路感染症、排便障害、陰部感染症の改善
  6. 固有感覚障害による体幹平衡機能の改善
  7. 精神障害の改善
  8. 自力で食べる力の改善

 



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