高齢者に多い症状とそれを引き起こすといわれる薬剤 2000.07.01
 高齢者の場合、生理・生体機能の低下から、薬効や副作用が強く現れ,思わぬ結果を引き起こす可能性があります。そのため、通常高齢者への服薬は、成人用量の1/2〜2/3の量から始めます。

 例えば、市販の風邪薬を常用量飲んでいても、坑ヒスタミン剤の副作用で、尿の出が悪い,目がチカチカする,物が見えにくくなったなどの症状が出る事があります。 これを副作用と判断されないまま、「前立腺肥大」「眼科疾患」と判断される事もありえます。また、副作用等の症状が発現しにくく、高齢者の生理機能低下も,病気や老化によるものと判断され,副作用を見逃す事もあります。

 紙おむつ使用時などは、頻尿、膀胱炎様症状、尿量減少などは特に気づきにくく、早くに気付けば、どうと言うことの無い副作用も、発見が遅れると重篤化することもあり、注意が必要です。

 それを防ぐには、薬の専門化である薬剤師の薬剤管理が大切です。

 ただし、

  • こういった症状が、必ずしも副作用で起こるとは限らず、病状である事の方が多い事
  • 副作用は、必ず起こるものではない事。

以上の事は、ご注意ください。


高齢者に多い症状と、それを引き起こすと言われる薬剤

錯乱症状

催眠薬、精神安定薬、坑うつ薬、坑精神病薬、坑コリン薬(中枢作働性)、非ステロイド性消炎鎮痛薬、レボドパ、ブロモクリプチン、糖尿病治療薬(血糖降下薬)、副腎皮質ステロイド、ジギタリス性強心配糖体、坑痙攣薬、シメチジン

転倒

催眠薬、精神安定薬、坑うつ薬、坑精神病薬、坑ヒスタミン薬、カルバマゼピン、フェニトイン、フェノバルビタール、ニトログリセリン、起立性低血圧を起こす可能性のある薬物

起立性低血圧

全ての降圧薬、利尿薬、坑狭心症薬、β遮断薬、睡眠薬、精神安定薬、坑うつ薬、坑精神病薬、坑ヒスタミン薬、レボドパ、ブロモクリプチン

うつ病

メチルドパ、レセルピン、β遮断薬、精神安定薬、レボトパ、副腎皮質ステロイド

パーキンソン病

坑精神病薬、メチルドパ、レセルピン、メトクロプラミド、坑めまい薬、カルシウム拮抗剤、坑アレルギー剤、坑コリン作働性薬、シメチジン

便秘

コデイン、麻薬性鎮痛薬、利尿薬、坑コリン薬、ジソピラミド、ベラバミル、ニフェジピン、坑精神病薬、坑うつ薬

尿失禁

利尿薬、催眠薬、精神安定薬、坑精神病薬、プラゾシン、ラベタロール、β遮断薬リチウム

出典  厚生省・日本医師会「高齢者における薬物療法のてびき」薬業時報社 1995年  
注:シメチジンは、一般市販胃薬にも入っています。薬剤師にお尋ねください


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