自宅でできる慢性腎不全治療

在宅自己腹膜灌流療法CPAD

腎臓は、ろ過装置と言われます。しかし、尿の生産だけでなく、赤血球や心臓・骨にも関与しています。
腎臓で産生されるエリスロポエチンが低下すると貧血を起こします。尿毒症の毒素は赤血球を壊します。腎臓から出る酵素レニンは血圧を上昇させる働きがあります。ビタミンDを活性化する働きがありますので、腎性骨折といって、腎臓の機能が悪くなると、骨折が起こりやすくなったり、体が大きくならないなどの弊害を起こします。
このようにさまざまな働きをする腎臓がダメージを受けると長生きするためにはコツがいります。合併症を起こさないように気を配り、起きてしまった時は適切な処置により被害を最小限に食い止めることが大事です。時間がかかる・終わった後の頭痛・血圧低下など苦しいことが多いのですが、こうなった以上は仲良く付き合っていこうと言う気持ちが大事です。

透析療法が効果がある慢性腎不全の病態

  • 体液量過剰・・・肺水腫、体液量依存性高血圧
  • 電解質異常・・・高カリウム血症、低ナトリウム血症、低カルシウム血症、高リン血症
  • 酸塩基平衡・・・アシドーシス
  • 老廃物蓄積・・・高窒素血症、高尿酸血症
  • 尿毒症症状・・・中枢神経障害、末梢神経障害、悪心、嘔吐、網膜症
  • 血液異常・・・高度の貧血状態、出血傾向

在宅でできる腹膜透析として、3種類あります。

  1. 間欠的腹膜透析法(IPD)inter-mittent peritoneal dialysis
  2. 自動腹膜透析法(APD) automatic peritoneal dialysisi
  3. 連続携行式腹膜透析(CAPD)continuous ambulatory peritoneal dialysis

CAPDは1984年に健康保険で認められました。急速に普及している在宅医療です。
血液透析と違い、体内の腹膜を利用しますので、自然に近い治療法です。また操作も簡単で、専門家の指導をよく守れば誰でも行えます。

CAPDの使い方と日常生活の注意点
<バッグ交換>
 1日4回、1回2Lのバッグ交換(透析液を腹腔から排液し、新しい液を注液することをバッグ交換という)をします。交換の場所・時間は都合のよい時・場所でできます。注意事項は無菌操作をすることです。合併症の予防にもっとも役立つことです。
カテーテルに透析バッグのチューブをつないで腹腔内の老廃物を含む液を排液します。次に新しい透析液を注入します。チューブをはずして後は自由に動けます。
バッグ交換に使用する時間は約30分です。
バッグ付け替えと殺菌を自動的に行う小型バッグ交換器もあります。排尿量は必ず測定します。

  1. カテーテル出口のケアは忘れないようにしましょう。入浴後には必ず念入りに観察し、乾燥した状態を保つように薬剤を塗布しま
  2. CAPDをはじめた時、おなかが重く感じることがあります。しばらくするとなれて気にならなくなります。
  3. 入浴、シャワー欲では、カテーテル出口から湯水が入って感染症を起こさないように注意しましょう。人工肛門用ラバッグなどでカバーし入浴するとよいでしょう。
  4. ブドウ糖吸収による肥満、蛋白喪失、カリウム、カルシウムが足りなくなるようにバランスの取れた食事をしましょう。

今はいろいろな透析器(ダイアライザー)ができています。製造過程で使われた薬液残留物や治療に使った薬剤との相互作用が問題になることもあります。また残血が多い場合もあります。こういった問題が出たときは、透析器を変えてみることです。しかし、残血が多い場合は、患者さん自身に問題がある場合があります。
透析するときには血が固まらないようにヘパリンという薬を使っています。
使いすぎると、骨や脂肪代謝に影響しますし、血がなかなかとまらない場合もあります。血が止まりにくくなると、硫酸プロタミンによってヘパリンの作用を中和します。(止血剤ではないので出血傾向のある人の治療薬ではありません)このヘパリン
は、アンチトロンビンVと一緒になって初めて効果がでます。アンチロトンビンVの少ない人は、ヘパリンの抗凝固作用が十分に働きません。そのため残血が増えることがあります。
 ヘパリンの代替として、アルガトロバン・フサンなどアンチトロンビンVを介さない抗凝固剤もあります。

APD(自動腹膜透析療法)
自動腹膜灌流装置(サイクラー)と呼ばれる機械を使い、家庭で就寝中、自動的に透析を行う方法です。頻繁なバッグ交換から解放され、自由度が高まります。寝返り等でも外れにくく、楽な方法といえます。1日1回の交換ですみますので、介護者のいる間に交換が可能です。透析中に問題が生じれば、機械が異常原因をブザーで知らせてくれますので、安心して使えます。


CAPDやAPDを使って、
負担を少なくして快適で自由な生活を目指しましょう


役立つリンク
CAPD食レシピ集 http://www.baxter.co.jp/ren/recipe/recipe.html
バクスター 腎不全とその治療法 http://www.baxter.co.jp/ren/

参考文献
1) CAPDガイドライン 
2) 在宅訪問服薬管理指導のための基礎知識  吉和 久幸他 医薬ジャーナル
3) これが透析生活の秘訣です 太田 和夫  南江堂