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忘年会や送別会、何かとお酒を飲む機会の多い時期です。
日本は、「無礼講」という言葉もあるように、特にお酒に対しては寛大なように思います。しかし、アルコールは決して安全なものではありません。食品というより、安全域の非常に狭いくすりと思っていただきたいです。
アルコール依存症は一昔前はアルコール中毒(俗にアル中)と呼ばれていました。以前の多くのアル中の患者は、「毎日」、「一日中飲んでいる」事が多く、「酒のにおいをぷんぷんさせ」、「暴れまわり」「人に迷惑をかけている」このイメージが強いのです。
ところが、最近のアルコール依存症の方は、「静かなアル中」と呼ばれるように、暴れたり、毎日飲んでいたりといった誰の目にもわかる状態でない方が多いのです。そのため、周りも自分でも気付くのが遅れて、重症化したり、肝臓障害等を起こす事があります。
毎日飲酒する人の消化管ガンの発ガン率は、飲まない人より高く、食道ガンによる死亡率は、飲まない人の2.28倍と効率であるデータが出ています。発見が遅れがちで、死亡率の高い、すい臓ガンの大半はアルコール飲酒者と言われています。
アルコールの害(副作用)の特徴は、
- 多臓器にわたること
- さまざまな症状があり、個人差が大きいこと
- 摂取を止めれば大抵は症状改善するため、病気を軽視する傾向がある
- 合併症を起こしやすく、修復不可能な合併症を起こすことがある
つまり、アルコールは、簡単に誰でも副作用を起こしやすく、副作用であることに気付き治療するのが遅くなりやすい依存性・中毒性のある薬です。
「毎日は飲んでいない」
「暴れたりして警察や周りに迷惑をかけた事はない」
「日本酒はのまない。ビールしか飲まないから」
だからアルコール依存ではないと思っているあなた!
一度自己診断法で確認してみてください。
飲酒状態の自己診断法 久里浜式アルコール依存症スクリーニング・テスト
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最近6ヵ月の間に次のようなことがありましたか
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YES
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NO
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1
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酒が原因で大切な人(家族や友人)との人間関係にひびが入ったことがある |
37
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11
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2
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せめて今日だけは酒は飲むまいと思っても、つい飲んでしまうことが多い |
32
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11
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3
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周囲の人から大酒のみと非難された事がある |
23
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8
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4
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適量で止めようと思っても、つい酔いつぶれるまで飲んでしまう |
22
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7
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5
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酒を飲んだ翌朝に、前夜の事をところどころ思い出せない事がしばしばある |
21
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7
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6
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休日には、ほとんどいつも朝から酒を飲む |
17
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4
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7
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二日酔いで仕事を休んだり、大事な約束を守らなかったりしたことがある |
15
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5
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8
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糖尿病、肝臓病、または心臓病と診断されたり、その治療を受けた事がある |
12
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2
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9
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酒が切れたときに、汗が出たり、手が震えたり、いらいらや不眠など苦しいことがある |
8
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2
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10
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商売や仕事上の必要で飲む |
7
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2
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11
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酒を飲まないと寝付けないことが多い |
7
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1
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12
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ほとんど毎日3合以上の晩酌(ウィスキーなら1/4本以上、ビールなら大瓶3本以上)をしている |
6
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1
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13
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酒の上の失敗で警察の厄介になったことがある |
5
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0
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14
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酔うといつも怒りっぽくなる |
1
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0
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合計点
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採点方法 〇印をつけ終えたら、「はい」「いいえ」別々に〇印をつけた合計点を求めてください。次に「はい」の合計点から「いいえ」の合計点を引き総合点とします。
「はい」の合計点 − 「いいえ」の合計点 = 総合点(あなたの採点)
判定とアドバイス
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0点以下
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青信号
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今のところアルコール依存症の心配はありません。
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0〜20点
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黄色信号
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境界線を越えないように注意しましょう。 |
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20〜80点
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赤信号
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身体疾患のある方はお酒を止める努力をしましょう。アルコール依存症の可能性が十分あります。 |
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80点以上
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危険信号
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アルコール依存症の疑いが強い。断酒しか方法はありません。保健所・アルコール専門医療機関等にご相談下さい。 |
気をつけないといけないアルコールと薬の相互作用
大抵の薬は、服用するとき、薬剤師や医師から「お酒と一緒に飲まないでください」と言われます。アルコールも薬の一種なので前述のように、肝臓と腎臓で代謝されていきます。そのため肝臓がオーバーヒートして肝障害を起こしたり、同じ代謝経路をたどるため、同じ酵素をアルコール代謝に使われて十分な代謝ができず、薬の効果が半減したり、強すぎたりします。
アルコールはたんぱく質を変性させますので、胃壁や腸壁を破壊し、潰瘍を作りやすくします。またすでに作られた潰瘍を悪化させます。胃が痛いと胃薬を飲みながら、お酒やビールを飲むなどもってのほかです。
アルコールと薬物の相互作用は大きく分けて3つの要因が考えられます。
- 類似の焼く利作用に起因する相互作用
一番強くアルコールが作用するのは中枢神経抑制です。
同じように中枢神経抑制作用のある薬は、その作用をより強めますので、呼吸抑制などの副作用を起こします。
(鎮静・催眠薬/抗不安薬/抗うつ薬/麻薬性鎮痛薬/抗痙攣薬)
アルコールには末梢血管拡張作用があります各種の高血圧治療薬は血圧降下作用がありますので、血圧が下がりすぎることがあります。
- 薬物代謝過程が関与した相互作用
代謝を抑制すると体から出て行くのが遅くなりますから、薬あるいはアルコールの影響が長く残ったり、作用・副作用が強くなったりします。しかし、中毒者(依存者)では逆に作用が弱くなる傾向があります。
| 薬物 |
アルコール作用による作用変化 |
関与代謝経路 |
| フェニトイン |
作用増強 |
肝ミクロソーム酸化系における代謝競合 |
(抗うつ薬)
MAO阻害薬 |
アルコール作用の遷延 |
アルコールの代謝を遅くする |
| 経口抗凝固薬 |
出血傾向 |
代謝を抑制アルコール中毒者は血中半減期が短縮 |
| (糖尿病治療薬) |
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| インスリン製剤経口糖尿病治療薬 |
低血糖 |
アルコールの血糖降下作用 |
| アセトヘキシミド |
低血糖 |
中毒者は活性代謝物生成増加 |
| ビグアナイト系薬物 |
乳酸アシドーシス |
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| スルフォニル尿素製剤 |
血糖降下作用減弱 |
中毒者 |
クロルプロパミド
セフェム系抗生物質
(抗原虫薬)
メトロ二ダゾール |
ジスルフィラム様症状 |
アルデヒド脱水素酵素阻害によるアセトアルデヒドの体内蓄積 |
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- その他の機序による相互作用
H2拮抗剤『シメチジン』は、アルコールの消化管からの吸収を亢進させます。その結果血中濃度を高めて、中枢神経抑制作用を強めます。時としては急性アルコール中毒症状(神経過敏・錯乱・失見当識など)が見られることがあります。他のH2拮抗薬では、報告されていません。
アルコールの代謝(生体内動態)
アルコール
↓ 95%以上
十二指腸及び空腸上部から吸収
↓ 短時間
脳・肝臓・腎臓 に蓄積(血流量が多く脂質が多い)
↓ アルコール脱水素酵素(ALD)系
↓ 肝ミクロソーム酸化系(MEOS)
↓ 肝ミクロソームH2O2産生系 カタラーゼ反応系
アセトアルデヒド
↓ アセトアルデヒド脱水素酵素
酢酸
↓
アセチルCoA→アセト酢酸
↓
TCA回路
血中アルコール濃度に比例して起こる中枢神経系症状
アルコールは中枢神経抑制作用が一番強いのですが、心循環器系では心拍出量増加・血管拡張が起こり、過量になると血圧低下になります。長期連用すると心筋障害の原因となりますし、消化器系では消化性潰瘍・肝細胞障害、抗利尿ホルモン分泌を抑えて利尿させ、ノルエピネフリンなどの分泌を高め、血糖値の上昇・視索上核−下垂体機能を抑えるなどの異常がおこります。
血中アルコール濃度と中枢神経症状
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血中濃度
(mg/dl)
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症状
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20〜50
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爽快感 |
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50〜100
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ほろ酔い状態呼吸数・脈拍数の増加 |
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100〜150
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自己抑制の喪失・精神発揚状態多弁・行動の活発化 |
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150〜300
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運動障害(千鳥足など)呼吸促進・嘔気・嘔吐 |
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300〜400
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歩行困難・意識混濁・脊髄反射の抑制 |
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400〜500
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昏睡・呼吸麻痺・血管運動中枢麻痺死亡することあり |
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